インドネシア「あるある」(その1)

2021.10.18

企業支援

筆者は1993年~98年、2012年~15年の期間、足かけ9年間インドネシアの首都ジャカルタに駐在しました。
海外で働きたい、今やっている仕事を海外にて展開したい、と希望する人は多いと思います。しかしながら、海外のどこの国や地域においても独自の文化や国民性があり、現地の実情を考慮しないでビジネスを展開しても成功はおぼつきません。そこで、今回は、インドネシアについて少し紹介してみたいと思います。

まず、「インドネシアあるある」です。

あるあるその1:「ジャカルタの交通渋滞はひどい」
・ジャカルタの交通インフラは充実していないため、自動車での移動が大半になります。2019年に鳴り物入りで都市高速鉄道(MRT)が開通しましたが、幹線を走るのみで距離も短く、移動したい場所の近くまで連れてってくれないので利用客は1日10万人程度です。因みに東京のメトロ利用客は1日700万人超です。幹線道路は、朝夕の出勤時間帯はもとよりデイタイムも四六時中渋滞しています。頻繁に発生する豪雨(後述)の後はもっと悲惨な状況になります。
・ジャカルタのビジネス街のど真ん中、全長4km程度のスディルマン通りの東西に財閥系や日系含む多くの大企業がはいる高層ビルが並んでいますが、信号は殆ど無く、右折(インドネシアは車は左側通行)は出来ず、Uターンするためには側道を経由するしかありません。その結果、道の反対側のすぐそこに見えるビルに行くにも30分、ひどい時には1時間以上かかったりします。日本からの出張者をより多くの顧客に案内しようと張り切ってアポを入れまくる駐在員は、必ず失敗します。
・道路を渡れば良いでは無いか…と考えるのはもっともですが、まず、歩道は穴ぼこだらけ(水道管や何やらの工事の放ったらかしなのか冠水によるものなのか?)なので注意して歩かないといけないです。スマホ片手に歩くのは厳禁・危険であり、足下に注意しないと簡単に穴ぼこに躓くか落っこちる、という具合で、およそ快適な歩道ではありません。さらに、ジャカルタは一昔前の日本の都市部と同じで、ドライバーのマナーは悪い、渋滞でイライラしていることもあってクラクションは鳴らしまくるし、車間距離も詰めまくるしと、通常の神経ではとても道路を渡る気になりません。
横断陸橋は無いのか… 要所にはありますが現地の人は誰も使いたがらないのでひと気が無く、結果として物盗りが潜んでいたりします。迂闊に横断陸橋を使わないことをお薦めします。

あるあるその2:「バイクタクシーが流行っている」
・上記混雑を避けて事務所前まで乗り付けるため、現地の人たちは、OJEK(オジェック)なるバイクタクシーを利用することが多いです。駅前、官庁街・ビジネス街のビルの前など、至る所にバイクが並んでおり、後ろに乗って目的地まで向かう訳です。ジャカルタに行くとやたらと二人乗りのバイクが多く、特にうら若き女性が後部座席でドライバーにしがみついている姿をみかけます。恋人同士、あるいは仲の良い兄妹が多い街だなあ。。と勘違いしますが、そんなことは稀であり、OJEK利用者が多いということなのです。
・このサービスを法人化して提供しているのがGOJEKという会社です。ドライバーによる強盗やぼったくり(有りがち)を企業責任とドライバー教育により解消し、さらに2015年からはアプリを開発し、スマホからの予約・呼び出しが可能になって、表舞台に登場しました。同社は、上場を目指しているという話も聞きます。
・なお筆者はやむを得ず個人のOJEKを利用したことが数回ありますが、短距離ならともかく20分以上乗っているのは「勘弁してくれ」となります。私は体格が良いので強盗・ぼったくりは免れましたが、なんせ上述のマナーの悪い自動車の合間を縫って走る訳ですから神経が休まる暇がありません。

ジャカルタは都市圏人口34百万人で世界第2位です。ちなみに第1位は東京~横浜(38百万人)ですが、東京~横浜の40%の面積にほぼ同じ数の人が生活しているのです。渋滞しない訳がないですね。