カーボンゼロ………それだけでいいの?(完)

2021.10.11

企業支援

今回はもう一つ、ビジネスで陥りやすいことと関連してこのカーボンゼロを考えてみたいと思います。
カーボンゼロにより温室効果ガスが削減され、地球温暖化が抑制される効果はあると思いますが、温室効果ガスが地球温暖化のすべての原因である保証はありませんので、温室効果ガス削減だけで絶対的に地球温暖化を防げるかどうかはわかりません。だから無駄だと言う人もいますが、そうではなく、出来ることはやる必要があると考えています。ただ、地球温暖化抑制効果が十分でなかった時にどうするかも併せて考えた上で行動する必要があります。以前は地球温暖化の議論がされるときに、地球温暖化した時にどうするかも多く議論されていたと思いますが、カーボンゼロが声高に言われ始めるようになって、個別に気候変動対応とかは議論されてはいますが、少し議論される機会が少なくなった気がして懸念しています。
ビジネスの世界でも、想定する事業環境に沿って目標をたて、それに向って方策を策定して実行していきますが、想定外の事象(新型コロナの蔓延とかが典型です。)が発生し、当初の計画通りにいかないことがよくあります。ビジネスでは信念を持って、それに固執していくことも重要ですが、一方で事業環境に応じて柔軟に対応していくことも必要です。事業を破綻させるわけにはいきませんので、想定していなかった事態での行動も念頭に置きながら、事業環境の変化に常に注意を払っていく必要があるということを忘れないでいただきたいと思います。

最後におまけですが、地球上で最大の温室効果ガスは水蒸気(H₂O)です。温度が上がると水蒸気量が増え温室効果を増幅することは間違いないのですが、なぜ管理対象にされていないのか私にはわかりません。ただ、見たくないもの(不都合な真実)を見ないというもう一つのビジネスでのワナに陥っていないことを願っています。

少し無理やりですが、ビジネスで陥りやすいワナを3つ紹介しました。ワナがあるところは、見方を変えてみるとビジネスチャンスですので、ぜひ皆さんのシーズを活かしてください。世の中で起きている事象、ニーズについても、その事象・ニーズだけでなく、そこに関連する他のニーズ(温暖化後の対応、N₂Oの除去とか)が考えられます。様々な側面から考えていただけば、皆さんの持っているシーズをビジネスにつなげていく可能性が広がると思います。ただ、その実行の際は、ビジネスで陥りやすいワナには十分気を付けてください。ここは、私どもが支援できると思いますので、ご一緒に仕事ができたら幸いです。