法律改正2024年(その2)

2024.02.20

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2024年に施行される事業者が知っておくべき法律改正情報について概説します。
1.労働条件の明示(前号)    9.電子帳簿保存法法
2.時間外労働の上限規制       10.不当景品類及び不当表示防止法
3.健康保険・厚生年金保険      11.意匠法
4.裁量労働制            12.商標法
5.障害者雇用率の引き上げ      13.不正競争防止法
6.障害者差別禁止法         14.不動産登記法
7.フリーランス保護新法       15. 民事訴訟法
8.労働安全衛生法          16.民法                   

2.時間外労働の上限規制の適用猶予期間の終了(2024年4月1日施行)
①時間外労働の上限は、原則として月45時間・年間360時間です(労働基準法36条3項、4項)が、労使間の合意があれば、①時間外労働が年間720時間以内、②時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満、③時間外労働と休日労働の合計について、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月及び6ヶ月の各平均が月80時間以内、④時間外労働が45時間を超える月が年間6ヶ月以下という条件を満たせば、月45時間・年間360時間を超えることができます(労働基準法36条5項、6項)。
②工作物の建設の事業については、上記①②③④の条件を満たさなくても月45時間・年間360時間の上限を超えることが認められていましたが、かかる例外的取扱が廃止されます。違反者には6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金が科されます。但し、災害時における復旧及び復興の事業には、時間外労働と休日労働の合計について、月100時間未満、2~6ヶ月平均80時間以内とする規制は適用されません。
なお、自動者運転の業務及び医業に従事する医師についても時間外労働の上限規制の適用が猶予されていましたが、猶予期間終了後の取扱は工作物の建設の事業と異なります。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/gyosyu/topics/01.html

3.短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大(2024年10月1日施行)
厚生年金保険の被保険者数が101人以上の企業等で週20時間以上働く短時間労働者は健康保険・厚生年金保険の加入対象となっていますが、厚生年金保険の被保険者数が51人以上の企業等(*)で働く以下の全てに該当する短時間労働者も、健康保険・厚生年金保険の加入対象になります。
(a)週の所定労働時間が20時間以上30時間未満
(b)所定内賃金が月額88000円以上
(c)2ヶ月を超える雇用の見込みがある
(d)学生でない
(*)1年のうち6月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上(法人事業所の場合は同一法人格に属する(法人番号が同一である)すべての適用事業所の被保険者の総数、個人事業所の場合は適用事業所単位の被保険者数)となることが見込まれる企業等