綜合商社での仕事(その3)

2023.07.18

企業支援

総合商社といえば、大きな仕事が出来る、国内に留まらずグローバルに働くことができる、高収入である、というイメージから、常に人気の業界であり、昨今の学生就職人気ランキングでも大手が上位をしめています。
今回は総合商社での仕事について、少しお話したいと思います。

1. 商社マンはプロデューサーでありオーガナイザーである
2. 業務の質は多種多様、でも専門性も要求される(以上前号まで)
3. 業務の量は、ただただ膨大である
4. 人間力が勝負である

3. 業務の量は、ただただ膨大である
前項の通り、商社マンは自身が専門性を身に着けつつ、顧客や社内と交渉・調整を重ねビジネスを進めていきます。普通に考えればお分かりの通り、業務の量は膨大です。課題とリスクを考えれば上司と相談したりチームを組んで分担したりするのでは?と普通は考えますが、上司はその進捗は把握してはいるものの自分からは動きませんし、先に書いた通り社員一人一人に高い利益水準が要求される商社では同僚の誰もが同じ様に案件を抱えていますので、結局のところ担当者が自分でやる事になります。案件もその進捗の中でアイドル・タイムもあるだろうし、常時動いている必要もなかろうと思われるかもしれませんが、一人一人に(以下3行前に同じ)では案件は複数かかえるのが普通ですので、常時何かをやっているのが普通、かつマーフィーの法則よろしく複数案件の山場が同じ時に押し寄せてきたりするもので、結果、大変なボリュームの業務を抱える事になります。

加えて、所属する組織は継続的に利益を生み出すユニットでなくてはならず、どのユニットにもベース・カーゴと呼ばれる、安定的・継続的な取引を複数かかえて、一定の利益を確保しています。こういう取引では、見積、契約、与信残額の精査、確実なデリバリー、代金回収、仕入価の支払い、倉庫や運送会社等への支払いなど、細かい仕事が多く発生します。入社後一定期間は、経験を積むため、実務になれるため、体力見極め(?笑)などの理由から、これらの仕事を担当させられます。雑務の様ですが、ミスを犯すとユニットの数字に即影響を及ぼしますので手抜きはできません。かつ、商社というところは、取引形態が多様だからか、人ができる事は人にやらせるという文化なのか、DXとかAIをビジネスにすることには熱心ですが、自ら取り入れる事には無関心です。

という訳で、商社マンがかかえる業務の量はただただ膨大になります。

*寝る時間もないほど仕事をしていると、体力的には限界なのに精神がストレス解消を求めて暴れます。連日残業が続いているのに10時過ぎから飲みにいったり、金曜遅くまで仕事して土曜早朝からゴルフなんてのもザラです。結構な年輩者がさらっとやってのけたりします。結果、生活は派手になります。高い給与水準もこれを後押ししていますね。
商社マンあるあるの「飲み会が多い」に加え「金遣いが荒く意外と金欠」につながります。