インドネシア「あるある」(その4)

2021.11.8

企業支援

インドネシア人「あるある」の第2弾です。

あるあるその3:「人前で怒らない方が良い」
・仕事でミスをした人を皆の前で怒る、これは本人へ強く反省を促すと共に、周囲への注意喚起だったり、敢えてやることで士気を高めようとしたり、とかを狙って日本でもやったりしますね。これはインドネシアでは厳禁です。職場の上位者であろうと下位のスタッフであろうと厳禁です。その場では、本人は謝ることは勿論、口ごたえも怒った素振りもしないと思いますが、プライドを傷つけられ相当頭にきています。怒られた理由や指示は何も頭に入っておらず、皆の前であなたが私を怒った、ということだけが残ります。さらに周囲も本人への同情心が強く、あなたは嫌な性格でボスとして適切でないとまで思われたりします。
・かわりに、本人をそっと呼び出して、皆のいない所で「さっきは皆がいたので言わなかったが、これは駄目だ、こうしろ!」と伝えれば、きっと謝ります。あなたは部下のことをよく気にかけている良い上司だということになるのです。お喋り・世間話好きのインドネシア人の間では皆のいない所で怒ったという気配は周囲に必ず伝わります。まわりのあなたを見る目も悪くはならないのです。

前述の通り、インドネシアは群島国家であり、また火山国でもあります。
群島間の海域により、また山々・森林により閉じられた共同体が多く、200近くの民族が存在し、口語レベルでは500以上の言語が使われています。個々の集落に親戚一同の大家族で住むというのが普通なのです。親密かつ平和な空間で育ってきた人たちは人前で怒られることに慣れていません。
さらにジャカルタの様な都市に出てきている人達は、そんな共同体のエリートです。仕送りしたり田舎に家を建てたり、なんて話もよく聞きます。集団から託されたエリートは当然プライドも高くなるのでしょうし、怒られることに慣れていないのでしょう。

あるあるその4:「Family Name(日本で言う苗字)が無い」
・インドネシア人にはFamily Nameが有りません。名前は個人に固有の名前がつけられます。同様の例は、世界でもビルマ、マレーシア、アフガニスタン、一部のパキスタンやラオスに限られ、珍しいといえます。 またその名前は一語でも、二語でも、三語でも良いと、決まりはありません。例えば独立時の最初の大統領はSoekarno、二代目大統領はSoehartoと共に一語、三代目大統領はBacharuddin Jusuf Habibieと三語です。

名前のつけ方は、各部族のもつ伝統・文化や、イスラム教・ヒンドゥー教・仏教など多様な宗教の影響が絡みあって現在に至っていると推測されています。地域により法則性が見つかる例もあるということの様です。

・なお、中国系(華僑系)の人はこれから全く外れます。我々の親しんだファーストネーム・ファミリーネームになります。