インドネシアあるある(完)

2021.11.15

企業支援

最終回です。

あるあるその5:「自国を大事に思い、自国に誇りを持っている」
・前述しましたが、困っていると必ず誰かが声をかけてくれます。電車の中では老人や女性に気づき直ぐに席を譲ります。大半の人が笑顔でそれを実行します。日本人、特に都会人には考えられないくらい親切です。
・職場やプライベートの場で、何かを決めようとする時、誰かが自分の意見を言う時、何か普段と違うことをした時、会議なら出席者が、オープンな場所なら場に居合わせた人が、なにかしらの意見を言います。真っ向から対立する意見は出てきませんが、修正・補足を促す意見も結構、遠慮なく出てきます。そうして話がまとまっていきます。そして、自分の意見が採用・考慮されずにまとまっても、意見を出した人は決して文句を言わず従います。
・日本人にせよ欧米人にせよ、インドネシア語を話せる人、インドネシアを好きだと言う人、
インドネシア料理を試して喜ぶ人、インドネシア文化を理解しようと色々質問する人、そんな人たちのことが大好きです。本当に嬉しそうに応対してくれます。照れたり謙遜したりはしますが、シニカルな対応にはお目にかかったことがありません。特にインドネシア語、「Apa kabar ?」(お元気ですか?)「Terima kasih」(ありがとう)あたりを頻繁に繰り返していれば、インドネシア語が上手だと誉めてくれます。

前述の通り、インドネシアには200近くの民族、500以上の言語(口語レベル)が存在しています。「多様性の中の統一」、これがインドネシア建国時(1945年のオランダからの独立時)以来の国是です。国として一つになり、独立を勝ち取り、存続していく為の絶対的スローガンだったのです。そして独立時に初代大統領スカルノが発表し、インドネシア共和国憲法の前文にも書かれた、建国五原則パンチャシラ(サンスクリット語で「5つの徳の実践」を意味します)は以下からなっています。①唯一神への信仰、②人道主義、③インドネシアの統一、④民主主義、⑤インドネシア全国民への社会正義。
日常の行動の中に、国是とパンチャシラの実践が現れています。独立時から現在に至るまで、これを選択し広めてきた為政者、それを理解し遵守・実践する国民、どちらも素晴らしいと心から思います。


最後に:
上記の中で、下線部分は書物やネット等で見つけることのできる固い情報です。
地理的要因と環境、歴史・文化がそこに居住する人々の性格・習性・行動を形づくる。
あ、なるほどと腑に落ちれば、それが理解の出発点になります。
海外で働くには、その地の人々と自分たちの違いを意識・認識し、それを認めた上で接することが重要です。それを少しでもお伝え出来ていれば幸いです。
(了)