法律改正2023年チェックリスト(その2)

2023.12.22

法的支援

2023年に施行された法律改正を簡単にまとめました。コンプライアンスの観点から、見落としがないかどうかを再度チェックしてください。
1.労働基準法
2.育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(以上前号)
3.民法
4.不動産登記法
5.相続土地国庫帰属法
6.個人情報の保護に関する法律
7.消費者契約法
8.消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律
9.消費税法
10.企業内容の開示に関する内閣府令
11.景表法に基づく内閣府告示
12.特定商取引法

3.民法(2023年4月1日施行)
①相隣関係(隣地使用権、竹木の枝の切除等、設備設置権及び設備使用権)、②共有等(共有物を使用する共有者と他の共有者との関係、共有物の変更、共有物の管理、裁判による共有物の分割、相続財産に属する共有物の分割の特則、所在等不明共有者の持分の譲渡)、③所有者不明土地建物・管理不全土地建物の管理命令(所有者不明土地管理命令、所有者不明建物管理命令、管理不全土地管理命令、管理不全建物管理命令)、④相続等(相続財産等の管理、相続を放棄した者による管理、不在者財産管理制度及び相続財産管理制度における供託等及び取消、相続財産の清算、遺産分割に関する見直し)について改正されました。詳細はNewsletter (2022年5月20日、6月17日、7月8日、8月12日、8月26日、9月2日)をご覧ください。

4.不動産登記法(2023年4月1日施行)
買戻しの特約がされた売買契約の日から10年を経過したとき、地上権、永小作権、質権、賃借権若しくは採石権に関する登記又は買戻しの特約に関する登記について登記された存続期間や買戻しの期間が既に満了している場合で所定の調査方法によっても権利者(登記義務者)の所在が判明しないとき、解散した法人の清算人の所在が判明しないために先取特権、質権又は抵当権に関する登記の抹消の申請をすることができない場合で法人の解散後30年が経過し且つ被担保債権の弁済期から30年を経過したときは、登記権利者は単独でその登記の抹消を申請できるようになりました(不動産登記法69条の2、70条2項、70条の2)。
旧不動産登記法下では、土地所在図等の図面以外の登記簿の附属書類については、請求人が「利害関係」を有する部分に限って閲覧可能とされていましたが、「利害関係」との要件を「正当な理由」に変更し、閲覧の対象となる文書の性質ごとに閲覧の可否を検討・判断することになりました(121条3項)。

5.相続土地国庫帰属法(2023年4月27日施行)
相続(遺言による場合を含みます。)によって土地の所有権を取得した相続人が法務大臣の承認により負担金(10年分の土地管理費相当額)を納付することにより土地を手放して国庫に帰属させることが可能になりました(2条1項2項、10条、11条1項)。
但し、通常の管理又は処分に当たり過大な費用や労力が必要となる土地(建物がある場合、担保権又は使用収益する権利が設定されている場合、通路など他人に使用される予定の場合(政令で定めるもの)、土壌汚染対策法2条1項に定める特定有害物質により汚染されている場合、境界が明らかでない場合その他所有権の存否・帰属・範囲について争いがある場合、その他通常の管理処分に過分の費用又は労力を要する場合)は対象外です(2条3項、5条1項)。

6.個人情報の保護に関する法律(「個人情報保護法」)(2023年4月1日施行)
2022年4月1日に国の行政機関に関する行政機関個人情報保護法と独立行政法人等に関する独立行政法人等個人情報保護法が個人情報保護法に統合されたことに加え、2023年4月1日に地方公共団体等:地方公共団体ごとに定めた個人情報保護条例も個人情報保護法に統合され、個人情報保護委員会が一元的に制度を所管することとなりました。