綜合商社での仕事(その1)

2023.06.19

企業支援

総合商社といえば、大きな仕事が出来る、国内に留まらずグローバルに働くことができる、高収入である、というイメージから、常に人気の業界であり、昨今の学生就職人気ランキングでも大手が上位をしめています。
今回は総合商社での仕事について、少しお話したいと思います。

1. 商社マンはプロデューサーでありオーガナイザーである(本号)
2. 業務の質は多種多様、でも専門性も要求される
3. 業務の量は、ただただ膨大である
4. 人間力が勝負である

1. 商社マンはプロデューサーであり、オーガナイザーである。
ビジネスは、モノを作っている人と、それを欲しがる人をつなぐことによって成り立ちます。 モノが顧客の手にわたるまでに色々な仕事が必要になります。例えばモノが消費財であれば、原材料生産・調達、製品化、物流(倉庫管理含む)、卸業、販売場所の確保、以上を担保する保険と決裁(現金)のどれも欠かせません。一連の仕事の中で欠けているピースが有ればそれを埋めて全体が成立する様にする、それが商社の仕事になります。
消費財の例をあげれば、原材料を世界のどこからか調達してくる、原材料が不足気味であればその発掘や生産者に投資し活性化する、製品化にあたっては顧客が求める品質条件や保証内容などを把握していればそれを伝え実践を促す、生産者と物流・卸業・販売者のマッチングを行う、必要あれば物流会社や販売会社に投資するなどなど、そのビジネスに関与すると決めれば広く深く手を尽くします。
取扱業種は繊維、機械、IT・情報、エネルギー、食料、化学品、不動産、金融と幅広く、商い成立のためのピースの埋め方は共通項もあれば全く違うこともあり、担当業種・業態により多種多様です。
苦手といえば、サービス業への関与には消極的です。サービス提供者自体が顧客と向き合うゆえ、商社が関与できる「欠けているピース」が殆ど無いためです。

*夕刻に打合せが終わりこの後の予定がなければ一緒に飯でも、となった場合、商社マンが店探しをする事が多いです。食事中も話題がなくなると「何か面白い話ないの?」、二次会・三次会でカラオケに行くと「まず商社のかたから景気良い歌を?」みたいに普通に振られます。これもオーガナイザーの役割という事ですかね? 世にある商社マンあるある「飲食店に詳しい」「ノリが良い(ないしは、ノリが異常)」にはこんな背景があります。