ウェブサイト作成上の留意点(その2)

2022.06.23

法的支援

ウェブサイトを開設する場合、特定商取引法及び個人情報の保護に関する法律(「個人情報保護法」)への対応が必要となります。特定商取引法の改正(2022年6月1日施行)及び個人情報保護法の改正(2022年4月1日施行)への対応も必要になります。以下では、改正法を踏まえたウェブサイト作成上の留意点について解説します。

1.特定商取引法(2022年6月1日施行)
(1)広告表示事項(以上前号)
(2)申込みを受ける際の表示
2.個人情報保護法(2022年4月1日施行)
(1)保有個人データに関する事項の公表(以上本号)
(2)利用目的
(3)第三者提供
(4)共同利用

1.特定商取引法(2022年6月1日施行)
(2)申込みを受ける際の表示
販売業者又は役務提供事業者は、(a)自己若しくはその委託を受けた者が定める様式の書面により顧客が行う通信販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込み又は(b) 自己又はその委託を受けた者が電子情報処理組織を使用する方法等により顧客の使用に係る電子計算機の映像面に表示する手段に従って顧客が行う通信販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みを受ける場合は、当該書面又は映像面に次の事項を表示しなければなりません(法12条の6第1項)。
① 当該売買契約に基づいて販売する商品若しくは特定権利又は当該役務提供契約に基づいて提供する役務の分量
② 当該売買契約又は当該役務提供契約に係る上記(1)①ないし⑤に掲げる事項
なお、販売業者又は役務提供事業者は、当該書面又は当該映像面において、当該書面の送付又は当該手続に従った情報の送信が通信販売に係る売買契約又は役務提供契約の申込みとなることにつき人を誤認させるような表示又は上記①②につき人を誤信させるような表示次の表示をすることが禁じられます(法12条の6第2項)。

2.個人情報保護法(2022年4月1日施行)
(1)保有個人データに関する事項の公表
個人情報取扱事業者(*1)は、保有個人データ(*2)に関し、次に掲げる事項について、本人の知り得る状態(本人の求めに応じて遅滞なく回答する場合を含む。)に置かなければなりません(法32条1項)。従って、個人情報データベース等を事業の用に供している場合は、ウェブサイト等で次の事項を公表する必要があります。
① 個人情報取扱事業者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
② 全ての保有個人データの利用目的(*3)
③ 本人からの当該本人が識別される保有個人データの(a)利用目的の通知、(b)開示(第三者への提供又は第三者からの受領に関する記録の開示を含む。)、(c)内容の訂正・追加・削除、(d)利用の停止・消去、(e)第三者への提供の停止の請求に応じる手続(利用通知請求又は開示請求について手数料の額を定めたときは、その手数料の額を含む。)
④ 保有個人データの安全管理のために講じた措置(本人の知り得る状態(本人の求めに応じて遅滞なく回答する場合を含む。)に置くことにより当該安全管理に支障を及ぼすおそれがあるものを除く。)
⑤ 個人情報取扱事業者が行う保有個人データの取扱いに関する苦情の申出先
⑥ 個人情報取扱事業者が認定個人情報保護団体の対象事業者である場合にあっては、当該認定個人情報保護団体の名称及び苦情の解決の申出先
(*1) 個人情報データベース等(個人情報を含む情報の集合物であって、特定の個人情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したもの又は特定の個人情報を容易に検索することができるように体系的に構成したものとして政令で定めるもの)を事業の用に供している者をいう(法16条2項)。
(*2) 個人情報取扱事業者が、開示、内容の訂正、追加又は削除、利用の停止、消去及び第三者への提供の停止を行うことのできる権限を有する個人データ(個人情報データベース等を構成する個人情報)であって、その存否が明らかになることにより公益その他の利益が害されるものとして政令で定めるもの以外のものをいう(法16条4項)。
(*3) 利用目的を本人に通知し又は公表することにより本人又は第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害するおそれがある場合、利用目的を本人に通知し又は公表することにより当該個人情報取扱事業者の権利又は正当な利益を害するおそれがある場合、及び国の機関又は地方公共団体が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって、利用目的を本人に通知し又は公表することにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるときを除く。