ウェブサイト作成上の留意点(その1)

2022.06.3

法的支援

ウェブサイトを開設する場合、特定商取引法及び個人情報の保護に関する法律(「個人情報保護法」)への対応が必要となります。特定商取引法の改正(2022年6月1日施行)及び個人情報保護法の改正(2022年4月1日施行)への対応も必要になります。以下では、改正法を踏まえたウェブサイト作成上の留意点について解説します。

1.特定商取引法(2022年6月1日施行)
(1)広告表示事項(以上本号)
(2)申込みを受ける際の表示
2.個人情報保護法(2022年4月1日施行)
(1)保有個人データに関する事項の公表
(2)利用目的
(3)第三者提供
(4)共同利用

1.特定商取引法(2022年6月1日施行)
(1)広告表示事項
販売業者又は役務提供事業者は、通信販売(*1)をする場合の商品若しくは特定権利(*2)の販売条件又は役務の提供条件について広告をするときは、当該広告に、当該商品若しくは当該権利又は当該役務に関する次の事項を表示しなければなりません。但し、当該広告に、請求により、これらの事項を記載した書面を遅滞なく交付し、又はこれらの事項を記録した電磁的記録を遅滞なく提供する旨の表示をする場合には、販売業者又は役務提供事業者は、これらの事項の一部を表示しないことができます(法11条、施行規則8条)。従って、ウェブサイトを通じて売買契約又は役務提供契約の申込みを受けて商品若しくは特定権利の販売又は役務の提供を行う場合は、原則として次の事項を表示することが必要になります。
① 商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価(販売価格に商品の送料が含まれない場合には、販売価格及び商品の送料)
② 商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払の時期及び方法
③ 商品の引渡時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期
④ 商品若しくは特定権利の売買契約又は役務提供契約に係る申込みの期間に関する定めがあるときは、その旨及びその内容
⑤ 商品若しくは特定権利の売買契約又は役務提供契約の申込みの撤回又は解除(「申込みの解除等」)に関する事項(商品又は特定権利の販売条件についての広告で申込みの解除等に関する特約を表示していた場合の当該特約の内容、第二十六条第二項の規定(法15条の3のクーリングオフ規定の適用除外)の適用がある場合(株式・出資・基金)には同項の規定に関する事項を含む。)
⑥ 販売業者又は役務提供事業者の氏名又は名称、住所及び電話番号
⑦ 販売業者又は役務提供事業者が法人であって、電子情報処理組織を使用する方法により広告をする場合には、当該販売業者又は役務提供事業者の代表者又は通信販売に関する業務の責任者の氏名
⑧ 販売業者又は役務提供事業者が外国法人又は外国に住所を有する個人であって、国内にその行う事業に係る事務所、事業所その他これらに準ずるものを有する場合には、当該事務所等の所在場所及び電話番号
⑨ ①に定める金銭以外に購入者又は役務の提供を受ける者の負担すべき金銭があるときは、その内容及びその額
⑩ 引き渡された商品が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合の販売業者の責任についての定めがあるときは、その内容
⑪ 磁気的方法又は光学的方法によりプログラム(電子計算機に対する指令であって、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。以下同じ。)を記録した物を販売する場合、又は電子計算機を使用する方法により映画、演劇、音楽、スポーツ、写真若しくは絵画、彫刻その他の美術工芸品を鑑賞させ、若しくは観覧させる役務を提供する場合、若しくはプログラムを電子計算機に備えられたファイルに記録し、若しくは記録させる役務を提供する場合には、当該商品又は役務を利用するために必要な電子計算機の仕様及び性能その他の必要な条件
⑫ 商品若しくは特定権利の売買契約又は役務提供契約を二回以上継続して締結する必要があるときは、その旨及び金額、契約期間その他の販売条件又は提供条件
⑬ 前4号に掲げるもののほか商品の販売数量の制限その他の特別の商品若しくは特定権利の販売条件又は役務の提供条件があるときは、その内容
⑭ 広告の表示事項の一部を表示しない場合であって、法11条但書の書面又は電磁的記録を請求した者に当該書面又は電磁的記録に係る金銭を負担させるときは、その額
⑮ 通信販売電子メール広告(相手方となる者の請求に基づき、通信販売をする場合の商品若しくは特定権利の販売条件又は役務の提供条件に係る電子メール広告)をするときは、販売業者又は役務提供事業者の電子メールアドレス
(*1) 販売業者又は役務提供事業者が郵便その他の主務省令で定める方法(電話機、ファクシミリ装置その他の通信機器又は情報処理の用に供する機器を利用する方法を含む。)により売買契約又は役務提供契約の申込みを受けて行う商品若しくは特定権利の販売又は役務の提供であって電話勧誘販売に該当しないものをいう(法2条2項、施行規則2条)。
(*2) 施設を利用し又は役務の提供を受ける権利のうち国民の日常生活に係る取引において販売されるものであつて政令で定めるもの(保養のための施設又はスポーツ施設を利用する権利、映画、演劇、音楽、スポーツ、写真又は絵画、彫刻その他の美術工芸品を鑑賞し、又は観覧する権利、語学の教授を受ける権利(施行令3条、別表1))、社債その他の金銭債権、及び株式会社の株式、合同会社、合名会社若しくは合資会社の社員の持分若しくはその他の社団法人の社員権又は外国法人の社員権でこれらの権利の性質を有するものをいう(法2条4項)。