手っ取り早く~露店営業のこころ~(完)

2022.03.7

企業支援

[前回はたこ焼きについてご説明しました。]

これに比べ石焼き芋は農産物(加工食品ではない)という認識で、現状では殆どの県で食品衛生管理責任者の配置と保健所の飲食店営業許可が必要ではなく、営業エリアは全国筒浦々どこでもOKです。だから出稼ぎ対象だったんですね。
また、たこ焼きやみたらしは、単発のイベントにしろ既存朝市や門前露店にしろ他者と競合し、なかなか新規営業場所開拓が難しいのですが、石焼き芋は結構固定的にやっている露店が無く、イベントや朝市などに比較的参入し易い環境にあり、道具さえ買えばすぐ営業できる商売かと思います。サラリーマンを永くやっておりまして退職したらまだこの目で見ていない全国津々浦々を、1日分の宿泊交通量ぐらい稼いでのんびり回る、そんな平成寅さんを夢見ていてたどり着いた案でありました。(まあ、器具の仕入れコストを考えると物販でも良かったのですが))
 石焼き芋開業に必要な道具ですが、石焼き芋の業務用釜はLPガス仕様で十数万円、あとは折り畳みターフテントとテーブル、椅子、消火器、のぼり旗で5万円位、計20万円位といったところでしょうか。LPガスコンロは10kg程度の容量をガス販売会社で借ります。(ガス充てんを前提に無料で借りています)むろん器具を運ぶ車をお持ちであることが前提です。
 気になる採算ですが、1日営業の場合、生芋5kg×5箱くらいが、焼対応できる量で、M~Lサイズで1箱25本ほどありますので、全体で120本くらいでしょうか。銘柄芋1箱1500円位で仕入れられますので、生芋で7500円、LPガスが2000円/1回、包装用品で1000円、交通費や駐車料金等を含めて1万数千円ほどが1日の営業コストです。1本180円であれば、まあ80本も売れば、1箱以上売れ残っても赤字はありません。これまでの経験でこの価格に3本500円のお徳セットを設ければほぼ全量売り切りの状況です。
仮に1本200円程度の比較的リーズナブルな価格で売切り、干芋などの物販も多少組入れれば、1日2万円程度の粗利となり、月15日程度出店できれば何となく生業にもできそうです。
生芋の場合売れ残っても翌月位までは十分保存がききますし、私の場合は干芋にして、1袋300円位で小売り販売すれば結構飛ぶように売れます。

 創業を考えるとき、イニシャルコストと想定ランニングコスト、対応期間を丹念に調べて組み立てていくことは、実現への夢と楽しさがあります。また計画がしっかり組み立てられていると、実際に手掛けるときに準備や行動の一歩一歩の足取りが確認実感でき、夢が具体的になる喜びも大きくなります。そんな具体的なお手伝いをエール・ビジネスコンサルテイングのメンバーはご支援できればと考えております。