手っ取り早く~露店営業のこころ~(その1)

2022.02.7

企業支援

手っ取り早く~露店営業のこころ~(その1)

最近地域活性化のお手伝いなどで、石焼き芋を販売なぞ行っております。趣味が昂じて
と申しますか、食い意地が張っていてと申しますか、やると皆さんに喜んでもらえるので、とうとうプロの機械や旗、テントなど一式を買い揃えて、門前市や商店街マルシェ等お声がかかる
と喜んで出店しております。
本業ではなくお役立ちの意識なのですが、毎回シルクスゥイートや安納芋、紅はるかなど
人気の高いこだわりの銘柄芋仕入を行い、売価は、損をしない程度のMサイズ1本200円弱、3本500円などと良心価格。あたりに漂う幸せな甘い香りで場を盛り上げ、プロの石焼の味、しかもお値打ちと主催者・お客様に大変喜んでいただけるので、嬉しいやら(商売のやりがいの原点ですね)、加えて、私としてもイベントを楽しむ良い1日となっております。

 さて、その石焼き芋、冬場になると「石焼~芋、お芋。お芋お芋~石焼~き芋」と拡声器
を鳴らしての軽トラ販売が風物詩でありましたが、私の住む地域では東北大震災を境にめっ
きり姿を見せなくなりました。東北の農家のおじさんが機材一式を借りて出稼ぎでやって
いたと思われますが、震災避難や復興事業で中部地域まで出稼ぎする必要が無くなったのかもしれません。でも需要は高いようで、最近はスーパーで焼芋の機械が置かれるようになりました。

「焼芋は儲かるでしょう」、と出店するたびに言われます。NHKの朝ゴラでも話題になっておりますが、本当に手っ取り早いのか…今回は、露店営業の創業の話題を少しばかりいたしたく。
大阪では「食うに困ったらたこ焼き屋か回転焼屋、元手5万円ですぐ食い扶持ぐらいは稼げる」というお話が何かの話題や落語に出てくるような。でもたこ焼きのような露店飲食営業、簡易な露店でやるにしても現実的に創業するとなるとそれなりに結構な手間と費用と準備期間がかかるものです。
厄介なのが食品衛生管理。たこ焼きは飲食業なので、食品衛生管理責任者の配置と、飲食営業の許可を保健所から受ける必要があります。食品衛生管理責任者の講習は、所在市町で年2回程度なので急ぐ場合はと同府県内実施市町へ遠征受講となります。受講申込みから受講証、看板一式を手に入れるまであっという間にひと月くらいかかります。手数料は1万円ほどです。
それから露店道具一式を道具屋で揃えて、やっと営業地域の保健所に飲食店営業の許可申請を行います。設備もコンロだけではなく、露天であれば3方向幕があるテント、浄水汚水のポリタンク、クーラーボックス、手指消毒に消火器、ごみ設備等々の設置が求められます。手数料8千円で実際に検査員の前で道具を広げて検査を受け、許可書が出るまでさらに1か月位はかかります。創業費用も、材料仕入を除いてざっと20万円程度はかかる算段です。費用は安いですが検便を検査機関で行って結果通知を用意する必要もあります。店舗営業やキッチンカーでの操業ではさらに時間と費用が掛かりますね。その間食いつなげるかなあ。
やっと開店しても露店営業エリアは検査を受けた保健所管轄内に限られてしまい、隣の県でやりたければ、隣県の保健所での営業許可取得が必要となります。道路で勝手に露店ができる時代でもないので、販売所の事前確保や出店料の事前調整をしておく必要もあります。加えて、毎年の営業許可更新(検便)も必要となります。

[以上に対して石焼き芋はどうか、については次回ご説明します。]