老後2000万円問題を読み解く(その2)

2021.08.22

企業支援


2000万円問題はここまでとして、この報告書に関連して、少し飛躍しますがひとつ雑感を述べたいと思います。
報告書では、「長期・積立・分散投資」による資産形成が推奨されています。運用の専門家ではなく情報や分析も限界がある、大多数の人にとっては、長期的にみて確率的に正しい方法なのでしょう。さらに、この報告書を機に多くの専門家が、「長期・積立・分散投資」を唱え、加えて手数料の安いもしくはノーロードのパッシブな運用を行う投資信託を推奨しています。
しかし、今の日本には、あえて高いリスクをとってより高いリターンを追及することも重要であると申し述べたいと思います。パッシブな運用を行う投資家だけでは株式市場はなり立ちません。個別株式への投資やアクティブな運用を行う投資家がいなければ、株式市場の価格の発見機能は失われ資源の配分という大きな役割も果たせなくなります。
運用という観点だけで無く、一定程度豊かになった日本は、総じてリスクを回避し低いリターンに甘んじる社会になってしまったのではないでしょうか。日本の衰退を良しとせず活性化していくためには、果敢にリスクをとって挑戦し大儲けを狙うような精神が必要であり、寄らば大樹ではなく果敢に創業に挑戦することを良しとする風土が大事なのではないでしょうか。
エール・ビジネスコンサルティングは、そうした創業を目指す人を応援したいと思っています。